歯ならび・かみ合わせの異常は顔貌に影響したり、口があきにくくなる病気などの原因になります。
顎の発育が悪いと、顔つきも大きく変化します。
例えば、小学生になってから、上の前歯が下唇に覆いかぶさるようになり、出っ歯になったのではないか、と来院されるお子様が散見されます。
ところが多くの場合、上の歯が出っ張っているのではなく、下あごの発育が悪いため、相対的に正常な上の歯が出ているように見えるだけなのです。
この様な症状が気になるお母様がおられましたら、お子様の幼稚園時代の写真をいくつかご覧下さい。
その頃の顔つきが、現在より「かわいらしい」ことに気付かれると思います。
また、上下の顎の発育がアンバランスな場合、明石家さんまさんやアントニオ猪木さんのような、独特の風貌になります。
下あごが左右何れかに傾いて成長した場合、前から見たとき顔がゆがんで見えます。
かみ合わせが悪いと、食べ物をかむ力が弱くなります。
下あごの発育が悪いと、前歯でかみ切ることが出来なくなります。
しっかり食事がかめなくなると、お子様の成長にも影響を及ぼします。
また、かむことにより脳の血流がよくなることがわかっています。
充分にかめないと、脳の発達にも影響を及ぼします。
あごの発育が悪いと、舌の運動できる範囲が狭まります。
それにより、発音がしにくくなる場合があります。
口が開かなくなる、『顎関節症』という病気になります。
顎関節症近年、顎関節症と呼ばれる病気が増えています。
この病気は、あごの関節に異常を来し、
・ 口が大きく開けられない
・ 口をあくと顎の関節が痛い
・ かんだ時に、顎の関節や筋肉が痛い
・ 口をあくときに、関節から変な音がする等の症状を引き起こします。
原因の殆どは、かみ合わせが悪いことにあります。
(註:海外では顎関節症の原因はかみ合わせではない、とされていますが、日本では臨床家を中心にかみ合わせが原因と考えられています。)
虫歯になりやすい歯ならびが悪いと、歯垢(バイ菌)がたまりやすくなり、歯磨きもしにくくなります。
その結果、虫歯や歯周病になりやすくなります。
また歯周病になった歯は、かみ合わせが悪いと(正常な方に比べて)大幅に歯周病の進行が早まります。
ご老人で歯を抜いたことのない方をご覧下さい。
殆どの方が綺麗な歯ならびと、よいかみ合わせの持ち主です。