歯を抜いて歯ならびを治すと、のちのち様々な問題が起きる可能性があることを、一部の歯科医師は危惧しています

かみ合わせ関連の学会や研究会に出席すると、かみ合わせが悪いために日常生活に支障を来し、仕事ができない、最悪の場合外出さえままならないような症例の発表が行われています。
お父様・お母様! かみ合わせは皆様の考えておられるより遥かに重要です!
当院スタッフがかみ合わせの勉強でセミナーに参加した時、あごの関節に問題があった参加者の多くは、抜歯矯正治療後(従来の方法)の方でした。
かみ合わせは、先に述べたようにあごの関節に影響を及ぼします。
つまり歯ならびを矯正治療したからといって、必ずしも理想的なかみ合わせになるわけではないのです。
{かみ合わせ}
奥歯の乳歯のむし歯を放置しておかない限り、奥歯の歯ならびが大きく崩れることは殆どありません。(頬杖などが原因で奥歯の歯ならびが崩れることはあります。)
問題は、前歯の歯ならびです。
前歯4本と奥歯(ただし犬歯を含む)では、生え替わりの時期に数年のタイムラグがあります。
前歯の歯ならびが悪くなり始めた段階で、さっさと治療をしてしまえば、下の歯に関して言えば、あとは勝手に奥歯が生え替わりながらきちんと噛んでくれます。
ただし、上あごは乳歯しかない時期までに大きく成長し、その後成長速度が遅くなるので、上の前歯(特に糸切歯:犬歯)に関しては、それでも遅すぎます。

 

さらに、奥歯が生え替わり始めてからでは、その子のあごの動きにあったかみ合わせを実現するのが難しくなります。

 

矯正治療は、よいかみ合わせを実現するために、少しでも早く開始することが重要です。
せめて、『前歯の歯ならびが悪くなりそう』という段階で開始することが極めて大切です。

 

矯正治療が必要かどうか少しでも不安があれば、是非すぐに診せていただくことをお勧めします。
適切な治療方法・予防方法をアドバイスさせていただきます。

抜歯矯正による悪影響

近年、歯を抜くことによる様々なデメリットがあることがわかってきており、その代表的な問題が、下記の“ベロの部屋”の問題です。

歯を抜いて歯を並べると、“ベロの部屋”が狭くなる

もともとはならびの悪い人、かみ合わせの悪い人、そして歯を抜いて矯正治療を行った人の共通事項として、“ベロの部屋”が狭くなる、と言う問題があります。
“ベロの部屋”と言う言葉は、東京のベテラン矯正専門医が提唱した言葉です。
歯の内側には舌があり、それは食事や会話、嚥下など、極めて複雑で高度な仕事をしています。
舌が十分に機能を発揮するためには、そのためのスペースが必要です。ところが、歯を抜くなどしてスペースが狭くなると、舌は後下方に押しやられます。

位置が下がった舌は呼吸を抑制

舌の後ろには「咽頭」があり、舌が下がればそこが狭くなります。
咽頭は空気と食物の通り道。舌の機能が悪ければ食物を飲み込む機能にも問題が生じますが、それより問題になるのは「呼吸を抑制」すること。
{呼吸を抑制}
つまり、体が酸素不足になるのです。
酸素不足になると、
・ ボーッとしている
・ 落ち着きがない
・ 機嫌が悪い
など、様々な症状を呈することに、熱心な小児歯科医は気付いています。
この件に関しては、さくら総合歯科 妊婦・赤ちゃん・こども編 にさらに詳しく記載しています。